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ブータン文化を肌で感じる伝統のお祭り
ブータンでは年間を通して各地でたくさんのお祭りが行われます。大きな規模の有名なお祭りから本当にローカル色溢れる村の小さなお祭りまでその数は驚くほど多く、各地のお祭りを見学するためにブータンを訪れる観光客も多くいます。祭りに合わせて行われる寺院での法要、村人の歌や踊り、チベット仏教の経典に沿った様々な仮面や衣装で舞われる華やかな舞踊など、古くから伝わるチベット仏教の真の姿が披露されます。ブータンの伝統文化の真髄をお楽しみください。
ブータンのお祭りと言えば「ツェチュ」
ブータンに数あるお祭りの中で最も有名なお祭りは「ツェチュ」です。「ツェチュ」とは元々「毎月の10日」を意味する言葉。現在はチベット文化圏の「お祭り」そのものを指す言葉としても使われています。チベット文化圏の各地に仏教を広めた「グル・リンポチェ」の身に起きた12の重大な出来事がすべて毎月10日に起きていたことがこの言葉の由来となっており、各地で法要が営まれます。
グル・リンポチェ
チベット仏教・ニンマ派の開祖であり、紀元後800年ごろにブータンを含む現在のヒマラヤ一帯のチベット文化圏に仏教を広めたのが「グル・リンポチェ」です。
現在でも世界の中心である須弥山のさらに上方にあるサンドペルリ宮に住むグル・リンポチェは、毎月の10日に法要が行われるツェチュの場所に戻ってくると言われています。
グル・リンポチェには「グル・ツェンゲー」と呼ばれる八つの化身があり、中でも一番有名なのは「パドマサンヴァバ」と呼ばれる姿。初めてブータンを訪れた際は「パドマサンヴァバ」の姿で中央ブータンのクジェ・ラカンを訪れました。その後二度目にブータンを訪れたのが有名なパロのタクツァン僧院。その時は「グル・ドルジドロ」の姿で虎に乗ってヒマラヤを越えてやって来ました。
ツェチュの踊り「チャム」
ツェチュで必ず行われるのが、鮮やかな衣装とインパクトのある仮面をつけた踊り手による仮面舞踊「チャム」。仏教の教えを人々にわかりやすく教えることを目的とした舞踊で、数ある舞の振りはすべて事細かく定められ、書物や経典に記されています。
大タンカ「トンドル」
それを見るだけで悟りを開く事ができるとされる大タンカ「トンドル」。「トン」は「見る」、「ドル」とは「解脱」を意味しており、各地のゾンや寺院にはトンドルが納められています。この大タンカは一年に一度のツェチュやその他の法要、お祭りの時にご開帳が行われます。トンドルのご開帳はまだ日が登る前から荘厳な雰囲気の中で始まり、その法要の開始とともに人々は祈りを捧げます。トンドルは完全に日が昇るとしまわれ、翌年まで一年間ゾンや寺院内に納められます。
ツェチュでの道化役「アツァラ」
一風変わった不思議な仮面をかぶり、コミカルな動きで人々を笑わせる道化役が「アツァラ」です。祭りの場を一層盛り上げて人々を楽しませつつも、衣装や仮面が乱れた踊り手をフォローしたり、人々が怪我なく祭りを楽しめるように列を正したりと、ツェチュの隠れたサポーターとしても活躍します。
各地のお祭り一覧表(2022年:ブータン政府発表)
開催期間 | 祭典(寺院・僧院) | 都市 |
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3月9日~3月11日 | プナカ・ドゥプチェン | プナカ |
3月12日~3月14日 | プナカ・ツェチュ | プナカ |
3月18日 | タルパリン・トンドル | ブムタン |
4月9日~ 4月11日 | ゴンプ・コラ | タシガン |
4月9日~ 4月11日 | タロ・ツェチュ | プナカ |
4月9日~ 4月11日 | ガサ・ツェチュ | ガサ |
4月9日~ 4月11日 | シェムガン・ツェチュ | シェムガン |
4月12日~ 4月16日 | パロ・ツェチュ | パロ |
4月30日 | チョルテン・コラ | タシヤンツェ |
5月11日~5月13日 | ドムカル・ツェチュ | ブムタン |
5月13日~5月17日 | ウラ・ヤクチェ | ブムタン |
7月7日~7月9日 | ニマルン・ツェチュ | ブムタン |
7月9日 | クジェ・ツェチュ | ブムタン |
10月1日 | ティンプー・ドゥプチェン | ティンプー |
10月3日~10月5日 | ウォンディ・ツェチュ | ウォンディポダン |
10月5日~10月7日 | ティンプー・ツェチュ | ティンプー |
10月5日~10月7日 | タムシンパラ・チョパ | ブムタン |
10月7日~10月9日 | ガンテ・ツェチュ | ホブジカ |
10月8日~10月10日 | タンビ・マニ | ブムタン |
11月1日~11月3日 | チュカ・ツェチュ | チュカ |
11月1日~11月3日 | ジャカル・ツェチュ | ブムタン |
11月3日 | デチェンプ・ツェチュ | ティンプー |
11月8日~11月12日 | ジャンペラカン・ドゥップ | ブムタン |
11月9日~11月11日 | プラカール・ディチョイド | ブムタン |
12月1日~12月3日 | ペマガツェル・ツェチュ | ペマガツェル |
12月1日~12月3日 | モンガル・ツェチュ | モンガル |
12月1日~12月3日 | タシガン・ツェチュ | タシガン |
12月7日 | ジャンペ・ラカン シンゲチャム | ブムタン |
12月8日~12月10日 | ナラカール・ツェチュ | ブムタン |
12月13日 | ドゥクワンゲル・ツェチュ | ドチュ・ラ |
12月30日~1月1日 | トンサ・ツェチュ | トンサ |
12月30日~1月1日 | ルンツェ・ツェチュ | ルンツェ |
1月4日~1月6日 | サムドゥプジョンカル・ツェチュ | サムドゥプジョンカル |
1月6日~1月7日 | ナブジラカン・ドゥップ | トンサ |
代表的なツェチュ
パロ・ツェチュ | 毎年春に行われるブータンで最大のツェチュ祭。パロ・ゾンとデヤンカ広場で5日間にわたり執り行われます。パロのみならず周辺の街や外国からも多くの人が訪れ、観客数はのべ1万人を超えると言われています。最終日にグル・リンポチェの巨大なトンドルがご開帳され、この祭りが終るとブータンに本格的な春がやってきます。 |
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ティンプー・ツェチュ |
毎年秋に行われる首都のツェチュ祭。同時期にウォンディポダンでもツェチュが行われますので、二つの祭りを一度に見てまわる事も可能です。ブータンの中央政庁であるタシチョ・ゾンに隣接して建てられたツェチュ・スタジアムで3日間にわたって行われ、国内外を問わず多くの観客が訪れます。この時期は黄金色の稲穂が実り、国中が鮮やかな色彩に包まれる季節。マツタケを食べる事が出来る最後のシーズンでもあります。 |
お祭り見学の際は早めの予約と必ず日程確認を!
中央ブータンや東ブータン、その他の地方のローカル色溢れる小さなお祭りは日程が突然変更になることもあります(なかには前日に延期が決定することも)。なお、すべてのお祭りの日程は暦に合わせて毎年変わり、さらに占星術の結果などによっても変わるので必ずチェックしてから旅の計画を立てましょう!
また、全てのお祭りの時期に共通して言えるのは現地のホテルやブータンまでの航空機が非常に混みあうこと。パロやティンプーのお祭りの時は半年前から航空機が満席という事も普通です。お祭り見学をご希望の方は早めの日程調整とご予約をお願いいたします。